今日はみんなで梅シロップ作りをしました。
まずは青梅をしっかりと洗ってから、爪楊枝でヘタをとっていきます。
細かい作業ですが、皆さん上手にとっていきます。
そして消毒した瓶に一気に流し込み、氷砂糖を入れます。
蓋をして完成。
あとは毎日瓶を上下にかえして、1ヶ月程したら梅シロップの完成です。
簡単な作業ですが、みんなで作っている時は「私の家ではこうやっていた」「昔はこうやっていた」と楽しそうに話が盛り上がります。
今回の梅シロップ作りなどを行うと、利用者さんの方が詳しかったり手際が良かったり、ということがよくあります。
スタッフが教えてもらう側です。
「介護施設」では、どうしても利用者さんは「介護される人」、スタッフは「介護してあげる人」になってしまい、それが当たり前になってしまっていることがあります。
ですが、デイサービスの本来の目的が「療養上のお世話」から「自立支援」へ大きく変わり、国からもより明確に指針が打ち出されている中で、デイサービスだからできる自立支援をもう一度ちゃんと考えなければいけません。
色々ある介護サービスの中でも、日常生活の延長として日中の生活を介護の場で再現できる唯一のサービスであるデイサービスは、利用者さんが在宅生活を維持していくためにできることが無限にあります。
今のデイでは、利用者さんの意思や行動を「危ないから」「私たちがやりますから」と制限してしまい、利用者さんの能力を奪っていってしまっている状況が多くあります。
「介護」のイメージとして強くある「お世話をしてあげる」ことは、一見利用者さんも喜んでくれるし「ありがとう」と言われるとこっちも嬉しくなるので、いいことをしているように感じてしまいます。
ですが、デイサービスはレストランやホテルではありません。
デイサービスの本来の役割や何のために利用者さんがデイサービスに通っているのかを、もう一度よく考えないといけません。
そして、お世話型の介護から自立支援型の介護に考えを変えていかないと、真の利用者さんのためにはなりません。
スポーツでよく言われるように、練習でできないことは本番でもできません。
それと同じで、デイでできないことは家でもできません。
利用者さんにとっての本番は家に帰ってからです。
家でできていることは、デイでもやる。
家でできないことは、デイで練習する。
このデイサービスの基本の考えが、毎日の業務の中で少しずつ忘れられていってしまっているように思います。
利用者さんが施設の都合で制限されることなく、もっと「普通に」過ごすことができるようになってほしいと思っています。
梅シロップ作りをしている時の利用者さんの表情は、心から素直に楽しんでいる本当に素敵な笑顔です。
僕には、その表情が「介護される人」という枠から出られたときの表情のように見えます。
利用者さんが元々もっていた表情。
シロップが出来上がったら、梅ジュースや梅ゼリーを作ろうと話をしていると、やっぱりみんな「梅酒が飲みたい!」とのことでした。
そりゃ飲みたいよね。
野村