桜が満開になった良く晴れた日、さんえすの前に停められた3台の自転車。
今日は、ご利用者さんと一緒にサイクリングに行きます。
桜が咲き始め花見の予定を決めている時、「せっかく花見に行くなら普段自転車に乗っているご利用者さんたちと自転車で行ってみよう」ということで、自宅から普段乗っている自転車を持ってきてもらい、スタッフも自転車を用意し一緒にサイクリングに行くことになりました。
予定の日、天気は快晴。
お茶とおやつを持ち、いざ出発。
普段自転車で移動しているだけあり、自転車の運転はもちろん土地勘もばっちりの様子。
目的地の公園に到着。
桜は満開。
公園にある運動器具をやってみたり、シーソーに乗ってみたり。
日の光を浴びるとみんなこうなってしまうみたいです。
途中、お休みのスタッフも合流しみんなでおやつタイムです。
いつも飲んでいるお茶と同じですが、なぜかとても美味しいみたいです。
帰りに神社に寄り道してみんなでお参り。
そして全員笑顔で戻ってくることができました。
外で見るご利用者さんの表情はいつもにまして活き活きしているように見えました。
施設が用意したレク道具や設備は限られています。
その限られた選択肢にご利用者さんを当てはめていく。
それでご利用者さんにとって意味のある活動ができるでしょうか。
さんえすがやりたいのはその逆で、ご利用者さんのできること、やりたいことをデイが用意する。
ご利用者さんが何をしたいのか、何ができるのかを把握してそれを実践できる場を作ることです。
仕事や趣味、得意なことや大切にしていることは一人ひとり違います。
それを一つ一つデイが用意していく。
なければ作る。やったことが無かったらやってみる。
ご利用者さんの自立支援をするデイサービスであればごく当たり前のことだと思います。
ですが、実際デイサービスでは未だに「お世話」「管理」が当たり前だと思い込んでいるケースが見られます。
そして、施設が決めたルールにご利用者さんを押し込み、スタッフの思い通りにならないご利用者さんは「大変な人」「困った人」として要注意人物とされる。
これが介護施設の当たり前でしょうか。
デイサービスの利用時間7時間30分の間、室内で椅子に座らせておく方が不自然ではないでしょうか。
自分に置き換えても、どれだけ居心地のいいカフェでもフカフカのソファーでも7時間30分座っていることなんかできません。
外の景色を見たいし外の空気を吸いたい。
身体を動かしたいし人と話したい。
自分にできることはしたいし指図されたくない。
そんな当たり前のことが、介護の現場ではわからなくなってしまうのです。
公園で私たちを見た時、「介護をする人とされる人」だと思う人はどれだけいるでしょうか。
いつも自転車に乗っている人が自転車に乗って出かける。
そんな当たり前のことでこんなにいい表情をしてくれる。
知らず知らずのうちにご利用者さんに「介護が必要な人」というレッテルを貼り、ご利用者さんの力を抑え込み笑顔を奪っているのは誰でしょうか。
私たちにはまだまだやれることが山ほどあると思いませんか。
野村