先日、「花いろの風 ~岩倉に咲く花~」という、岩倉に咲いている花をスライドで紹介しその花についての説明をしてもらうという講演を行いました。
講師はデイをご利用頂いている一人のご利用者さんです。
もともと花に関する季刊誌への寄稿や講演をされており、とても花に造詣が深い方だったので、スタッフが「花の絵を描いてみますか?」と尋ねると「花の絵を描くよりも、花そのものの香りや形、雰囲気を言葉で伝えることがしたい」と言われたことがきっかけでした。
「是非!」ということで、さっそくご本人とどういう形で行うかを話していきました。
それからのこのご利用者さまの表情はとても活き活きとしたものに変わりました。
デイに来るたびに「こういう風にしたらどうか」「こういう感じでセッティングしてほしい」等と目を輝かせながらご自身からどんどん意見が出てきます。
また、自宅でも構想を練ったり準備をすすめて下さっており、ご自宅にお伺いした時は実際に自宅で試して「プロジェクターを使ってみたけどこの位の明るさだと見づらい」と提案されたり、また別の日には「今どの花を紹介しようか選別していたところです」と大量のフィルムの中からひとつずつ悩みながら選んでいらっしゃいました。
そして当日、デイのシャッターを閉めフロアの半分の電気を消してスタートすると、当初花に興味のある5~6名のご利用者さまが参加する予定でしたが、どんどんと聞き入るご利用者さんが増えていき、最後にはほぼ全員のご利用者さんが講演に聞き入っていました。
スクリーンに映し出される花の写真が変わるたび「綺麗だね」「見たことある」と参加されたご利用者さんもきれいな花の写真と心のこもった説明に夢中になっていきました。
気付けば約30分間立ちっぱなしで講師を務め、レーザーポインターを使い花の写真を指しながら説明をしてしている姿はとても活き活きとして輝いていました。
ご本人も「7年ぶりに人前で講演をすることができました」ととても達成感を感じていらっしゃいました。
ご本人としてはもっとたくさんの花の説明をしたかったとのことですが、第1回目としては大成功だったのではないでしょうか。
ご本人からも「もし迷惑でなければこれからも3ヶ月に1回位のペースでやってみたい」ととても意欲的な言葉も頂きました。
準備をしている時の活き活きとした表情、発表当日の凛とした表情、とても輝いて見えました。
デイサービスの中で決められた活動だけをこなしているだけでは、絶対に見ることの出来ないご利用者さんの本当の姿。
本当に素敵でした。
これからも一人ひとりの利用者さんの輝く場を作ることができるように、色々な活動をしていきたいと思います。
野村