2020年2月20日 3:08 pm

最近、耳にすることが増えてきた認知症の方の「社会参加活動」。

 

 

デイサービスで日々ご利用者さんのケアを行っていくうえで、さんえすでも「社会参加活動」の必要性を感じることもあり、他事業所さんの取り組みや先進的なデイの活動を行っている事業所さんのお話を聞かせて頂き、社会参加活動の目的や意味、必要性、またどうやってデイサービスの活動として取り入れていけばいいか、そしてスタッフの参加意識をどう高めていけばいいのかなど、自事業所の課題として考えています。

 

平成23年に解禁された「有償ボランティア」(ご利用者さんが地域や企業などに対してボランティア活動を行い、その対価として謝礼を受け取っても良い)の立役者である「DAYS BLG!」さんをはじめ、介護の常識にとらわれずご利用者さんの望むことや本当に必要としていることを実践していく想いの強さや行動力には、本当に良い刺激を頂いています。

 

 

先日、愛知県大府市で「認知症の人の社会参加活動を考えよう~介護保険サービス事業所でできること~」というイベントがあり、参加させて頂きました。

 

このイベントでは、認知症介護研究・研修大府センターが実施した「介護保険サービス提供時間中における認知症の人の社会参加活動について」の研究報告と、愛知県内3事業所さんの実践報告が行われました。

 

 

各事業所さんの理念や理念に基づく活動内容をお聞きして、実務レベルで参考になることも多く、もう一度自分たちができる「社会参加活動」について考えるとてもよいきっかけになりました。

 

今回ケース報告された事業所さんの実際の活動だけを見れば、どの事業所でも行われている活動もあり、外出レクや季節のイベント、デイ内のお手伝い、野菜作りなど、当然さんえすでも実施している活動がほとんどです。

 

ですが、その活動が「社会参加活動ですか?」と聞かれると「はい!」と答えられるスタッフは少ないのではないのかなと思います。

 

じゃあその違いは何か、と考えたときにその違いは「スタッフの意識」ではないかと思いました。

 

普段デイで実施している一つ一つの活動の目的をスタッフが理解しているのかどうかが一番重要で、「〇時になったから△しましょう」「今日のレクは〇〇だからみんなでやりましょう」など、スタッフも決められたことをただこなしていくだけの「業務」としてケアをしてしまっている環境だと、全ての活動の意味を無くしてしまっていると感じます。

 

人手が足りない、時間がない、忙しいと思って毎日働いていると、決められたことに従って業務をこなしていくだけで、そこにはスタッフも働くことの楽しみを見出すことはできないと思います。

 

そして、そこには利用者さんの意思はほとんど反映されておらず、自主性もなく利用者さんもただこなしていくだけ……

何の意味があるのでしょうか。

 

 

「社会参加活動」というと難しく複雑で、もしかすると面倒くさいと思うスタッフもいるかもしれませんが、「利用者さんがやりたいと思うことをできるように支援すること」「利用者さんが前向きな生活を送ることができること」と捉えれば、デイサービスの中でできることは山のようにあります。

 

そして、スタッフ同士「この利用者さんとこういうことをしたい」「この利用者さんがこれをできるようになるといいよね」という話し合いは、とても前向きで楽しいことだと思います。

 

利用者さんが自分の能力を活かして、スタッフと一緒に色々な活動をしていると、利用者さんもスタッフもとてもいい笑顔が見られます。

 

普段のレク中に笑っている顔とはまた少し違う、たぶんその利用者さんの元々持っていた本当の笑顔。

 

その笑顔を引き出すことが、介護職の一番のやりがいではないでしょうか。

 

 

例えば、昔畑をやっていた利用者さん。ホームセンターにカブの種を買いに行ってプランターに種を蒔きました。

 

びっくりするくらい小さいですが、先日ついに収穫できました。

 

 

それを細かく切ってくれる料理自慢の利用者さん。

 

 

介護の現場が、利用者さんと一緒にスタッフも前向きな気持ちで色々なことにチャレンジしていくことができる環境にしていきたいなと思いました。

 

野村

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